特定技能外国人の受け入れガイド
特定技能外国人の受け入れを検討中の経営者・人事担当者様必見。特定技能ビザの概要・種類・対象19分野・受入れ企業の条件を凝縮。1号と2号の違いや、自社が受入れ可能な分野に含まれているか、企業側に求められる法的要件を分かりやすく説明します。受入れ検討の第一ステップとしてご活用ください。
POINT 01
2種類のビザ
在留資格「特定技能」は1号と2号の2種類。
POINT 02
業種・業務
1号と2号、それぞれ受入可能な業種、業務が定められています。
POINT 03
労働者
特定技能ビザで働く事が出来る外国人の条件。
POINT 04
受入れ機関
特定技能外国人を受け入れる事が出来る企業の条件。
POINT 01
2種類のビザ
在留資格「特定技能」は1号と2号の2種類。
POINT 02
業種・業務
1号と2号、それぞれ受入可能な業種、業務が定められています。
POINT 03
労働者
特定技能ビザで働く事が出来る外国人の条件。
POINT 04
受入れ機関
特定技能外国人を受け入れる事が出来る企業の条件。
POINT 01
2種類のビザ
在留資格「特定技能」は1号と2号の2種類。
POINT 02
業種・業務
1号と2号、それぞれ受入可能な業種、業務が定められています。
POINT 03
労働者
特定技能ビザで働く事が出来る外国人の条件。
POINT 04
受入れ機関
特定技能外国人を受け入れる事が出来る企業の条件。
POINT 01
2種類のビザ
特定技能は、深刻な人手不足に直面している16の特定産業分野(2027年から19分野)において、一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。
この制度の最大の特徴は、ゼロから教育が必要な「実習」ではなく、「即戦力として、すぐにでも現場の核となる人材」を確保できる点にあります。若くて成長意欲の高い人材を雇用できることは、労働力の維持にとどまらず、組織の活性化においても極めて強力な選択肢となります。
具体的には、特定技能には「1号」と「2号」という2つの区分が存在し、それぞれ企業にとっての活用目的やコスト構造、そして期待できるキャリアパスが根本から異なります。長期的な外国人雇用の成功を収めるためには、まずこの2つの性質を正しく切り分け、自社の人材ポートフォリオにどう組み込むかを戦略的に判断することが不可欠です。
【1号】現場を支える即戦力・キャリアのスタート地点
「特定技能1号」は、通算で最大5年という在留期限が定められているため、特段の対策を講じなければ5年後には帰国を余儀なくされてしまいますが、企業にとっては単なる労働力の確保にとどまらず、日本の文化や自社独自の社風・ルールを深く理解させ、将来の次世代リーダー候補へと引き上げるための極めて重要な「育成・準備期間」と位置づけることができます。
この5年間の運用においては、入国から日常生活に至るまで国が定める「10項目の義務的支援」を適正に実施することが不可欠となります。これらを外部の登録支援機関へ委託する場合には月額の支援費用が発生しますが、これは単なるコストではなく、外国人が慣れない土地で孤立することを防ぎ、本来のパフォーマンスを最大限に発揮させることで「安定した定着」と「予期せぬ離職の防止」を両立させるための戦略的な先行投資といえます。
【2号】将来の現場リーダー・永続的な熟練労働力
「特定技能2号」は、1号よりもさらに高度で熟練した技能を備え、自らの作業のみならず現場を牽引する監督者としての役割も期待される、まさに企業の屋台骨を支える存在です。
長期雇用の視点で見れば、2号は在留期間の更新制限がなく、さらに配偶者や子供といった家族の帯同も認められるため、外国人材にとっては「日本に生活の基盤を築き、永住も視野に腰を据えて働く」という明確な人生設計が可能となり、企業側にとっては、長年培った技術やノウハウを持つ「一生活躍してくれる貴重な熟練工」を安定して確保し続けられることを意味します。
また、コストと支援義務の面においては、1号の際に義務付けられていた手厚い生活支援計画の実施が不要となり、本人は日本の社会ルールに適応した自立したプロフェッショナルとして扱われるため、企業側の事務的な負担や管理コストは大幅に軽減され、より対等で強固な雇用関係へと進化させることができます。
POINT 02
業種・業務
2024年の4分野追加に続き、2027年からは新たに3つの分野が加わり、特定技能の受け入れ対象は計19分野へと拡大されます。また、技能実習に代わりスタートする「育成就労制度」との連動により、外国人材のキャリアパスはより明確なものとなります。
| 特定産業分野 | 育成就労 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|---|
| 介護 | ○ | ○ | × |
| ビルクリーニング | ○ | ○ | ○ |
| 工業製品製造業 | ○ | ○ | △(一部のみ) |
| 建設 | ○ | ○ | ○ |
| 造船・舶用工業 | ○ | ○ | ○ |
| 自動車整備 | ○ | ○ | ○ |
| 航空 | × | ○ | ○ |
| 宿泊 | ○ | ○ | ○ |
| 自動車運送業 | × | ○ | × |
| 鉄道 | ○ | ○ | × |
| 農業 | ○ | ○ | ○ |
| 漁業 | ○ | ○ | ○ |
| 飲食料品製造業 | ○ | ○ | ○ |
| 外食業 | ○ | ○ | ○ |
| 林業 | ○ | ○ | × |
| 木材産業 | ○ | ○ | × |
| 物流倉庫 | (2027年から) | (2027年から) | × |
| リネンサプライ | (2027年から) | (2027年から) | × |
| 資源循環 | (2027年から) | (2027年から) | × |
上記の産業分類の対照表は、あくまでも「受け入れの可能性があるか」という大まかな目安として参照してください。特定技能制度では、外国人を受け入れる企業が「制度の対象となる業種であるか」について、非常に厳密な審査が行われます。
日本標準産業分類
全19分野のうち、工業製品製造業、飲食料品製造業、木材産業、自動車運送業の4分野においては、総務省が定める『日本標準産業分類』に基づいて判定されます。単に登記簿の目的に『製造業である』と記載されているといった自己申告ではなく、外国人が就労する事業所(工場等)において、直近1年間の『製造品出荷額等(製造品出荷額や加工賃収入額)』や決算書上の売上実績が発生しているかによって、どの分類番号(細分類)に属する事業所であるかが客観的に特定されます。
事業の許認可
一方で、これら4分野以外の残り15分野においては、「日本標準産業分類」の分類番号は受入れの要件として問われません。
代わって重要になるのが、それぞれの事業を管轄する法律に基づく「事業の許認可(営業許可や登録、認証など)」を適法に受けている事業所であるかという点です。
具体的には、以下のように各分野で求められる許認可等を保有していることが、客観的な受入れ要件として厳密に審査されます。
- 建設分野:建設業法に基づく「建設業許可」を受けていること。
- 自動車整備分野:道路運送車両法に基づき、地方運輸局長から「認証」を受けた事業場を有していること。
- 宿泊分野:旅館業法に基づく「旅館・ホテル営業の許可」を受けていること。
- ビルクリーニング分野:建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく「建築物清掃業」等の事業の登録を受けた営業所であること。
- 航空分野:空港管理規則等に基づく承認を受けた事業者(空港グランドハンドリング)や、航空法に基づく能力認定等を受けた事業者(航空機整備)であること。
このように、特定技能制度では分野ごとに「産業分類に基づく実績の証明」または「特定の法律に基づく許認可等の保有」という明確な基準が設けられており、単にその業界で仕事をしているという自己申告だけでは、特定技能外国人を受け入れることはできません。
一方で、特定技能外国人が実際に従事する「業務(作業内容)」は、国が各分野について定めている「分野別運用方針」および「分野別運用要領」というルールによって具体的に定義されています。
業務区分は「技能試験」と連動している
特定技能外国人が従事できる業務(業務区分)は、外国人が合格した「技能評価試験(または移行要件を満たした技能実習の職種・作業)」の区分と完全に対応しています。つまり、試験によって立証された専門性や技能を用いて行う業務に就くことが前提となります。
業務の核となる「主たる業務」の定義
各分野の「分野別運用要領(Ⅲ 特定の分野に係る要領別冊)」において、それぞれの業務区分でメインに行うべき作業内容が明確に定義されています。 (例:飲食料品製造業分野であれば、「飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工」とは、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等であると細かく規定されています)。特定技能外国人は、この「主たる業務」に主として従事しなければなりません。
付随して行える「関連業務」の定義
メインとなる「主たる業務」だけでなく、同じ職場で日本人が通常行っている付随的な作業についても、「関連業務」として従事することが認められており、その具体例も運用要領に記載されています。(例:原料の調達・受入れ、資材の運搬、清掃、機械の保守管理など)。ただし、どの分野においても「専ら関連業務(付随作業)のみに従事させることは認められない」と厳格に禁止されています。
このように、「業種」が企業側の事業の枠組みを決めるのに対し、「業務」は外国人本人が持つ技能(合格した試験)に基づく「主たる業務」と、それに付随する「関連業務」という形で、国のガイドラインによって厳密に指定されています。
POINT 03
労働者
特定技能外国人として日本で働くためには、技能や日本語の試験に合格するだけでは不十分です。外国人本人が、入管法に基づく厳格な「基準」を満たし、かつ「欠格事由(上陸拒否事由等)」に該当していないことが求められます。
特定技能1号・2号に共通する「外国人の基準」
特定技能の在留資格を得るために、外国人は以下の共通基準をすべて満たす必要があります。
特定技能1号・2号それぞれの独自基準
上記の共通基準に加え、1号と2号それぞれに以下の独自基準があります。
【特定技能1号のみの基準】
- 必要な技能及び日本語能力を有していることが「試験」などで証明されていること。(※技能実習2号を良好に修了した場合は免除されます)
- 「特定技能1号」での通算在留期間が原則として5年に達していないこと。
【特定技能2号のみの基準】
- 必要な「熟練した技能」を有していることが試験等で証明されていること。
- (技能実習生から移行する場合は)技能の本国への移転に努めるものと認められること。
外国人の「欠格事由(上陸拒否事由等)」
上記の基準を満たしていても、日本の入管法で定められた「上陸拒否事由」などに該当してしまうと、ビザ(在留資格)は許可されません。特に注意すべき主な欠格事由は以下の通りです。
1.犯罪歴がある場合
日本国または外国の法令に違反して、「1年以上の拘禁刑(懲役や禁錮など)」に処せられたことがある者や、麻薬や大麻などの取締法違反で刑に処せられたことがある者は、原則として日本への入国・在留が認められません。
2.過去に退去強制(強制送還)されたことがある場合
過去に不法滞在などで日本から退去強制された日から一定期間(5年や10年など)が経過していない者、または出国命令により出国した日から1年が経過していない者は入国できません。
3.悪質ブローカーの関与や不当な契約(特定技能特有の不適合)
本人やその家族が、特定技能での就労に関連して、母国のブローカー等に「保証金」を徴収されていたり、「逃げたら罰金」といった違約金契約を結ばされていたりする場合、特定技能制度の基準不適合となりビザは認められません。
特定技能外国人の採用面接を行う際は、これまでの職歴や日本語能力だけでなく、「過去の犯罪歴の有無」や「送出機関等に不当な保証金を支払っていないか」を必ず本人に直接確認することが重要です。 せっかく内定を出しても、本人側の事情(欠格事由)でビザが下りなければ、それまでの採用コストと時間が無駄になってしまいます。採用段階での見極めと確認を徹底しましょう。
POINT 04
受入れ機関(企業)
特定技能外国人を受け入れるためには、出入国管理及び難民認定法(入管法)等で定められた厳格な基準をクリアし、かつ欠格事由に該当していないことが求められます。
受入れ機関が満たすべき共通基準
1.法令の遵守
労働関係法令、社会保険関係法令、租税に関する法令を適正に遵守していること。
2.非自発的離職者の未発生
雇用契約締結日の前1年以内から現在までに、特定技能外国人と同じ業務に従事する労働者を会社都合(非自発的)で離職させていないこと。
3.行方不明者の未発生
過去1年以内から現在までに、受入れ機関の責めに帰すべき事由による外国人の行方不明者を発生させていないこと。
4.安定した財政基盤
雇用契約を継続して確実に履行できる体制(財政的基盤等)が整っていること(※直近期末で債務超過がある場合などは追加の評価書が必要になることがあります)。
欠格事由について
受入れ機関(法人の場合は役員や、実質的に支配力を持つ者を含む)が以下の「欠格事由」のいずれかに該当する場合、特定技能外国人を受け入れることはできません。
1.刑罰等を受けたことによる欠格事由
以下の刑罰を受け、その執行を終わり(または受けることがなくなってから)5年を経過していない者は受け入れができません。
- 禁錮刑や懲役刑(拘禁刑)以上の刑に処せられた者。
- 出入国管理・労働関係法令に違反し、罰金刑に処せられた者。
- 暴力団関係法令、刑法(暴行罪、傷害罪、脅迫罪等)に違反し、罰金刑に処せられた者。
- 労働・社会保険関係法令において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者。
2.出入国・労働関係法令に関する不正行為
過去5年以内に、出入国または労働に関する法令に関して「不正又は著しく不当な行為」をした者は受け入れができません。具体的には以下のような悪質な行為が該当します。
- 外国人に対して暴行、脅迫、または監禁する行為。
- 外国人の旅券(パスポート)や在留カードを取り上げる(保管する)行為。
- 外国人に支給する手当や報酬の一部または全部を支払わない行為。
- 外国人の外出や私生活の自由を不当に制限する行為。
- ビザ申請等において不正に許可等を受けさせる目的で偽変造文書等を行使・提供する行為。
- 失踪防止などを名目とした保証金の徴収や財産の管理、違約金契約の締結。
- 入管からの報告徴収に対する虚偽報告や検査の拒否、改善命令への違反行為。
3.技能実習制度における重大な違反
- 技能実習法に基づく「実習認定の取消し」を受け、その日から起算して5年を経過していない者(取消処分の原因が発生した当時の役員を含む)。
4.暴力団排除に関する欠格事由
- 暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経過しない者。
- 暴力団員等がその事業活動を支配している者。
5.役員等の適格性に関するその他の事由
- 精神の機能の障害により、雇用契約の履行に必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者。
特定技能制度は、過去に外国人材の権利侵害や法令違反が相次いだ反省から、受入れ機関に極めて高い「適格性」を求めています。もし、過去の経緯や役員の経歴において懸念点がある場合は、申請準備を進める前に専門家(弁護士や行政書士)に相談し、受入れが可能かどうかを慎重に判断する必要があります。
受入れ条件をクリアしていることが確認できたら、次は『受入れ準備と義務』について確認しましょう。