特定技能外国人の受け入れガイド『受入れ準備編』
POINT 01
協議会
各分野の所管省庁が設置する協議会に加入していなければなりません。
POINT 02
支援計画
1号特定技能外国人が日本で安定的かつ円滑に活動できるよう、支援計画を作成します。
POINT 03
雇用契約
雇用契約は法律で定められた基準に適合している必要があります。
POINT 04
上乗せ基準
各産業分野を管轄する省庁が独自に定めている追加の要件のことです。
POINT 01
協議会
各分野の所管省庁が設置する協議会に加入していなければなりません。
POINT 02
支援計画
1号特定技能外国人が日本で安定的かつ円滑に活動できるよう、支援計画を作成します。
POINT 03
雇用契約
雇用契約は法律で定められた基準に適合している必要があります。
POINT 04
上乗せ基準
各産業分野を管轄する省庁が独自に定めている追加の要件のことです。
POINT 01
協議会
各分野の所管省庁が設置する協議会に加入していなければなりません。
POINT 02
支援計画
1号特定技能外国人が日本で安定的かつ円滑に活動できるよう、支援計画を作成します。
POINT 03
雇用契約
雇用契約は法律で定められた基準に適合している必要があります。
POINT 04
上乗せ基準
各産業分野を管轄する省庁が独自に定めている追加の要件のことです。
POINT 01
分野別協議会
分野別協議会とは、各産業分野を管轄する省庁(厚生労働省、国土交通省、農林水産省、経済産業省など)が、特定技能制度を適切かつ円滑に運用するために、業界ごとに設置している国の公式な連絡・協議機関です。
特定技能制度は、人手不足を解消するための制度ですが、単に安い労働力を確保するものではありません。生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材が不足している分野において、即戦力となる外国人を適正に受け入れ、外国人の権利を守りながら共生社会を実現するために設けられています。その制度が正しく運用されているかを監視し、サポートするための中核組織が協議会です。
協議会のメンバー(構成員)
- 各分野の所管省庁(例:外食業なら農林水産省、介護なら厚生労働省など)
- 出入国在留管理庁(法務省)
- 特定技能外国人を受け入れるすべての企業(特定技能所属機関)
- 登録支援機関
- 業界団体その他の関係者
制度の適正な運用の確認と法令遵守の啓発(不正防止)
構成員同士の連携を深め、制度の趣旨やルール、優良事例を周知します。また、「不当に低い賃金で働かせている」「不当な違約金契約を結んでいる」「必要な支援をしていない」といった問題が起きないよう、適正な雇用を守るための法令遵守の啓発を行います。
出入国在留管理庁と各分野の所管省庁(協議会)は、制度の適正化を図るために相互に密接な情報連携を行っています。例えば、入管庁から「法令違反や行方不明者を発生させた企業」の情報が提供されたり、逆に協議会から「協議会を除名された不適正な企業」の情報を入管庁へ提供したりすることで、悪質な企業やブローカーを排除する監視ネットワークとして機能しています。
受入企業に課せられる厳格な義務
地方出入国在留管理局へ在留資格の申請を行う前に協議会への加入手続きを完了させておく必要があり、申請時に「協議会の構成員であることの証明書(または確認できる書類)」の提出がない場合は不許可となります。あわせて、加入後は協議会で決定された業界固有のルールや措置を社内で確実に実施するとともに、所庁や協議会が行う報告の徴収、アンケート、現地調査(オンライン含む)、意見聴取、指導等に対して必要な協力を行う義務があります。
POINT 02
支援計画
1号特定技能外国人支援計画とは、外国人が日本で「特定技能1号」としての活動を安定的かつ円滑に行えるようにするため、企業が作成する「職業生活・日常生活・社会生活上のサポート計画」のことです。 この支援計画は受入れ企業に作成が義務付けられており、地方出入国在留管理局への在留資格申請(認定証明書交付申請や変更許可申請)を行う際に、他の書類と併せて提出する必要があります。
計画に盛り込むべき「10の義務的支援」
在留資格の申請前に、雇用契約の内容、日本で行う活動、上陸・在留の条件などを対面やテレビ電話等で説明します。
入国時には空港等から事業所または住居まで、帰国時には空港の保安検査場まで同行して送迎します。
連帯保証人になったり社宅を提供したりするほか、銀行口座の開設や携帯電話、電気・ガス等のライフラインの契約手続きを案内・補助します。
入国後、日本のルールやマナー、公共機関の利用方法、災害時・緊急時の対応など、社会生活を営む上で必要な情報を十分に理解できる言語で説明します。
必要に応じて、市区町村の役所での住民登録や、社会保障・税金などの手続きに同行し、書類作成を補助します。
日本語教室等の入学案内や、自主学習のための教材・オンライン講座の情報提供などを行います。
職場や生活上の相談・苦情に対して、外国人が十分に理解できる言語で遅滞なく対応し、必要な助言や指導を行います。
自治体などが主催する地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事を案内し、参加の補助を行うことで交流を促します。
人員整理や倒産など、企業側の都合で解雇する場合には、次の就職先を探す手伝いや推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与などを行います。
支援責任者等が、外国人本人およびその上司と定期的に(3か月に1回以上)面談を行います。労働基準法違反等の問題があれば、労働基準監督署などの関係機関に通報します。
支援計画の作成と運用の重要ルール
支援計画の作成や運用にあたっては、以下の点に注意が必要です。
母国語等での対応と書面の交付
支援計画書は、日本語だけでなく「外国人が十分に理解できる言語」で作成し、本人に写しを交付して内容を説明した上で、署名をもらう必要があります。また、生活オリエンテーションや相談対応などの主要な支援も、外国人が十分に理解できる言語で実施しなければなりません。
支援にかかる費用の企業負担
義務的支援の実施にかかる費用(通訳費や送迎費など)は、直接・間接を問わず、外国人に負担させてはなりません。企業側が負担する必要があります。
地域の「共生施策」の反映
支援計画は、外国人が働く事業所や住居がある市区町村(地方公共団体)が実施する「共生社会の実現のための施策(各種行政サービスや日本語教室など)」を確認し、それを踏まえた内容にする必要があります。
自社での対応が難しい場合は「登録支援機関」へ
これら10項目にわたる支援を、外国人の母国語等で適切に実施するには、社内の体制整備が不可欠です。しかし、自社で多言語対応や十分な支援体制を用意するのが難しい場合もあります。 その際は、国から登録を受けた「登録支援機関」に支援計画の全部(または一部)を委託することが可能です。支援の「全部」を登録支援機関に委託した場合は、企業として外国人を支援する体制の基準を満たしているとみなされます。
特定技能外国人の受入れでは、「雇って終わり」ではなく、彼らが日本で安心して働き、生活できるようサポートする義務が企業に課されています。自社で支援体制を整えるか、登録支援機関を活用するかを早期に検討し、計画的な受入れ準備を進めましょう。
POINT 03
雇用契約
1号特定技能の外国人を受け入れるために結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)は、出入国管理及び難民認定法等に基づき、厳格な基準を満たしている必要があります。
大きく分けて、「雇用関係に関する事項」と、外国人を保護するための「適正な在留に資するための事項」の2つの側面から細かいルールが定められています。
雇用関係に関する事項
従事させる業務の内容
指定された産業分野において、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事させる内容の契約でなければなりません。
所定労働時間(フルタイムの要件)
特定技能外国人の所定労働時間は、同じ企業に雇用される通常の日本人労働者と同等である必要があります。 「通常の労働者」とは、いわゆる「フルタイム」で雇用される一般の労働者をいい、アルバ イトやパートタイム労働者は含まれません。具体的にこの「フルタイム」とは、原則として「労働日数が週5日以上かつ年間217日以上であり、かつ、週の労働時間が30時間以上」であることを指します。
報酬額(日本人と同等以上)と差別的取扱いの禁止
報酬額は、日本人が従事する場合と同等以上でなければなりません。
社内に同程度の技能を持つ日本人がいる場合は、その職務内容や責任の程度が同等であることを説明した上で、日本人と同等以上の報酬額にする必要があります。
同程度の日本人がいない場合でも、賃金規程に照らし合わせるか、最も近い職務を担う日本人と比較して同等以上であることを説明しなければなりません。
また、外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用などで差別的な取扱いをすることは禁止されています。
一時帰国のための有給休暇の取得
外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させるものとしていることが必要です。事業の適正な運営を妨げるような業務上やむを得ない事情がない限り、希望に沿って有給休暇(あるいは追加的な有給・無給休暇)を取得できるよう配慮することが求められます。
労働者派遣の対象とする場合(農業・漁業分野などに限定)
労働者派遣の対象とする場合は、契約において派遣先や派遣期間が明確に定められている必要があります。
適正な在留に資するための事項(外国人の保護)
帰国費用(帰国担保措置)の負担
雇用契約の終了後に外国人が帰国する際、もし本人が帰国に要する旅費を負担できない場合には、受入企業(特定技能所属機関)がその旅費を負担することが義務付けられています。あわせて、航空券の予約や購入など、出国が円滑になされるよう必要な措置を講じることが契約で定められていなければなりません。
健康状況・生活状況を把握するための措置
外国人が安定的に日本で就労できるよう、健康や生活の状況を把握するための措置を講ずることが求められます。具体的には、労働安全衛生法に基づく雇入れ時・定期の健康診断を適切に実施することや、定期的な面談によって日常生活で困っていることやトラブルがないかを確認することなどが含まれます。
その他の前提条件
これらの特定技能独自の基準を満たすだけでなく、当然ながら労働基準法などの労働関係法令の規定に適合していることが大前提となります。また、分野によっては、上記に加えて国が定める「分野特有の基準(上乗せ基準)」にも適合する契約内容であることが求められます。
これらの詳細な労働条件を外国人が十分に理解できるよう、母国語など理解可能な言語で記載した「雇用条件書」を作成し、内容を説明した上で本人の署名をもらい、かつ、その写しを当該外国人に交付しなければなりません。
POINT 04
上乗せ基準
特定技能外国人を受け入れるためには、出入国在留管理庁が定める「全分野共通の基準」を満たすだけでは不十分です。産業分野ごとに管轄省庁が定めた「上乗せ基準(分野特有の基準)」をクリアしなければ、ビザ(在留資格)の申請すら受け付けてもらえません。
特定技能制度は、介護、建設、外食業など様々な産業分野が対象となっていますが、各業界の抱える課題や特性が異なるため、共通のルールだけでは対応しきれないのが実情です。 そこで、各分野を管轄する省庁が「その業界で適正に外国人を受け入れるため、全分野共通ルールに追加する独自の要件」として定めたものが「上乗せ基準」であり、その内容は分野ごとに多岐にわたります。
労働形態の制限(労働者派遣の原則禁止と例外)
特定技能制度では、原則として企業による「直接雇用」のみが認められています。ただし例外として、「農業分野」と「漁業分野」に限り、厳格な条件(派遣元が農業等での雇用実績を持つことなど)を満たした場合のみ労働者派遣での受け入れが認められています。
事業の許認可や実績に関する基準
その企業が適法に事業を行っているか、対象となる産業分類に該当するかの証明が求められます。
許認可・認定が必要な分野
建設業許可(建設)、旅館業法の許可(宿泊)、自動車特定整備事業の認証(自動車整備)、「安全性優良事業所」等の認定(自動車運送業)など。
日本標準産業分類での指定
工業製品製造業や飲食料品製造業では、国が指定する日本標準産業分類の細分類等に該当する事業を行っている実績が必要です。
受け入れ人数の制限(上限枠)
日本人従業員とのバランスを保つため、受け入れ可能な外国人数に上限が設定されている分野があり、建設分野では特定技能1号の総数が企業にいる常勤職員の総数を超えないこと、介護分野では事業所の日本人等(技能実習生等を除く)の常勤介護職員の総数を超えないことがそれぞれ定められています。
業務を行う「場所」や「内容」の制限
外食業・宿泊分野
ラブホテル等の風俗営業を行う施設での就労や、キャバクラ等のように歓楽的雰囲気を醸し出す方法で客をもてなす「接待」を外国人にさせることは固く禁じられています。
自動車運送業分野
タクシーやバスの運転者として受け入れる場合、「新任運転者研修」を修了させることが必須要件となっています。
(要注意)特に要件が厳しい「建設分野」
全分野の中で、上乗せ基準が特に厳密に設定されているのが建設分野です。協議会への加入等に加え、以下のような特別な要件を満たす必要があります。
「建設特定技能受入計画」の事前認定
ビザ申請を行う前に、国土交通大臣から独自の受入計画の認定を受ける必要があります。
建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
受入企業だけでなく、外国人本人もCCUSへ登録することが必須です。
報酬額と昇給の明記
同等の技能を持つ日本人と同等額以上の報酬を安定的に支払い、技能の習熟に応じて昇給を行う旨を雇用契約に明記しなければなりません。
特定技能外国人の受け入れでは、「全分野共通の要件(フルタイム雇用や日本人と同等以上の報酬など)を満たしたから大丈夫」と思っていても、自社の分野の「上乗せ基準」を見落としていると手続きがストップしてしまいます。
受け入れを検討し始めたら、まずは「自社の事業がどの特定産業分野に該当し、どんな上乗せ基準(独自のルール)が課されているか」を管轄省庁のホームページ等で必ず確認し、早めに協議会への加入準備を進めましょう。